更新日:2024年3月13日
「華プロ発足時はコロナ禍で、花の消費も落ち込み苦しい時期でしたが、生産、小売、行政の三分野が連携することに、新たな可能性を感じました」と話すのは、今年度華プロの代表を務めるLotusGardenの畠山さんです。「それぞれがアイデアを持ち寄り、酒田産の花の魅力を広める活動につなげていけることがとても新鮮なんです」と、花の魅力やこれまでの活動について話してくれました。
山形県は東北でも1、2を争う花の産地であり、本市でも高品質の花が生産されています。「たとえばストックは庄内産としてブランド化していて、市場でも高評価を得ています。それもひとえに、生産者の努力のたまもの。『市場に恥ずかしいものは出せない』と技術を磨き、出荷時にも厳格に検査を行うなど、地域一丸となって優れた品質の花を生み出しています」と話すのは、JA庄内みどりの庄司さんです。「ただ、生産された花の多くは首都圏に出荷されるため、地元での知名度が低いのが実情です。皆さんに酒田の花の良さを知ってもらおうと毎年9月~10月頃開催しているフラワーショーをはじめ、市内で花を展示する機会は年に数回ありますが、その種類の豊富さや質の高さに驚かれることも少なくありません」と庄司さんが教えてくれました。
JAそでうさんは「ものづくりが上手な生産者の畑って、雰囲気が違うんです。畑が美しいから育つものも美しいのだと、日々現場を見て感じます。そんなすばらしい生産者が、酒田にたくさんいるんですよ」と話してくれました。
より多くの市民に酒田産の花を知ってもらうべく、華プロが取り組んでいる活動のひとつが、市役所と各総合支所での花展示です。メンバーがアレンジした四季折々の花が、訪れた人々の心を和ませます。「花屋さんの洗練された技術によって、花の魅力が一層引き出されています。見かけた際には、ぜひ足を止めて見てほしいです」と土井さんは言います。
さらに、昨年度からは新たに「花育授業」を実施。今年は9月に、八幡小学校の5年生20人を対象に行われました。児童たちは圃場を見学したあと、メンバーの指導を受けて生け花を体験。使用する花はもちろん、すべて酒田産です。「児童たちが自身の感性の赴くまま、楽しそうに作業に没頭していく姿が印象的でした。今回の授業を通して、花を愛でる気持ちが芽生えてくれたらうれしいです」と畠山さんは言います。
取材中も、花の品種に関する情報交換や、今後の活動についての提案など、話の尽きなかったメンバーの皆さん。「このプロジェクトは、種をまいて芽吹いたばかりの段階。新しいことを少しずつ取り入れながら、地道に活動していけば、いつか大きく花開くと信じています」と畠山さんは笑顔を見せました。華やかな風香る「花のまち酒田」を目指して、華プロの挑戦は続きます。
市役所などでの花展示は、月に2回行われます。10月初旬には、酒田産のカラー、クルクマ、ダリアを使った秋らしいアレンジメントが飾られました。
花育授業にて、一輪ずつ花のかたちを見極めながら、自由な発想で生け花体験に取り組んだ児童たち。授業後、作品は花器ごと持ち帰られ、各家庭を彩りました。