更新日:2022年8月1日
物理、化学、生物、地学、数学、情報の6分野にわたって、メンバー一人一人の知識を結集させて競う「科学の甲子園」。今年は全国から7千人余りの高校生がエントリーしました。
酒田東チームのメンバーは、探究科の同級生8人。県大会を見事勝ち上がり、日々の課題や部活動に加えて、大会の過去数年分の難問に取り組み、各地の精鋭たちと肩を並べました。「各自の知識を生かして協力し合えた大会でした。一つの分野だけでなく幅広い知識を身につけて、課題や問題に応用することが大切だと実感しました」そう話すのは、キャプテンを務めた佐藤奏汰さんです。
全国大会は各校を会場に、筆記競技で行われました。「このデータをどう読むか」など思考力を試す問題が多く、情報分野の荒木優太さんは「脳細胞をフル稼働した」と言います。「『情報』はそうやって知恵をしぼることでイノベーションも起こせる、これからの社会を彩っていく分野だと思っています」。化学の後藤宗哉さんは新しい知見を身につけたとのこと。「化学は勉強した人にしか分からない視点があると思いました。1枚の紙がCやOやHなどからできているように、目の前のものは漠然としたモノではない、という見え方に変わりました」。また、今回のために地学を学んだメンバーも。小松原颯斗さんは文系からの挑戦でした。「僕は将来、国際政治学を志したいと考えています。地学のように身近にありながらも未知のことを探究する精神をいつか役立てられればと思います」。
一方、物理の二人は自らの適性から将来をそれぞれに見据えています。「自分の信条は楽をしたいということがまずあって、物理は後々楽することができる公式を導くので信条に合うなと(笑)。未来がどう動いていくのかも、公式を作ることでわかると考えています」と青山和南さん。中村元紀さんは将来は医師を目指しているそうです。「物理は問題ごとに違うシチュエーションが用意されていて、全く同じ解き方があてはまらないのが面白いなって。患者さんそれぞれの治療法の最適解を考えることに通じているようで、ますます頑張ろうって気持ちになりました」
そして、全国1位の数学を担当したのは、中村由治さんと船越健太さんです。中村さんは大会中、「試行錯誤しているうちにひらめきがあった」と喜んで話してくれました。「大会に出てあらためて、科学は社会の発展にも、自分のやりたいことを実現するためにも必要だと感じました」。船越さんは科学の魅力をこう語ります。「自分の知識で自分なりに考えて、問題が解けた時の達成感や肯定感、それが喜びになって次の問題につながっていくのが理系科目の面白さだと思います」。
お互いの知識を敬い磨き合う8人を見て、後輩たちがすでに次の大会への出場を申し出ているとのこと。高校生たちの未知への探究心は、明るい未来図を描いています。
全国大会に向けて勉強を頑張れた原動力は?の問いに、
全員そろって「打ち上げの焼肉!」と答えてくれました。
科学の甲子園では大学で学ぶような出題も。
大会に向けて山形大学農学部の鍋島朋之先生から講習を受けました。