お酒は自分に合った適量を守って楽しむことが大切です。過度の飲酒が続くと健康を害したり、社会問題を引き起こしてしまう恐れがあります。
厚生労働省によると、“節度ある適度な飲酒量”は、純アルコールで20gとしています。ただし、個人差があり、体質的にお酒に弱い人、女性、高齢者はアルコールの分解速度が遅く、影響を受けやすいため、10g程度にすることが推奨されています。
また、男性で一日平均40g以上、女性で20g以上の純アルコールを摂取すると、生活習慣病のリスクが高まるとされています。
下の表のどれか一つまでで純アルコール量20gとなります。女性や高齢者は、表の半分の量を目安にしましょう。
あくまでも適量は目安であり、個人差があります。特に、ビール1杯程度で赤くなる人はアルコールを分解する働きが弱い体質です。無理に飲むと急性アルコール中毒になる可能性もあるため、注意が必要です。
厚生労働省は「健康を守るための12の飲酒ルール」を提案しています。
- 飲酒は1日平均2ドリンク(=純アルコール量20g)以下
- 女性・高齢者は少なめに
- 赤型体質(※)も少なめに
- たまに飲んでも大酒しない
- 食事と一緒にゆっくりと
- 寝酒は極力控えよう
- 週に2日は休肝日
- 薬の治療中はノーアルコール
- 入浴・運動・仕事前はノーアルコール
- 妊娠・授乳中はノーアルコール
- 依存症者は生涯断酒
- 定期的に検診を
(※)少量の飲酒後に顔が赤くなったり、心臓がどきどきしたりする生まれつきの体質のこと
1日当たりの純アルコール摂取量が、成人女性で20g以上、成人男性で40g以上の飲酒を続けていると、様々な健康問題のリスクが高まると言われています。過度な飲酒が続くことで、肥満や高血圧、心疾患、糖尿病さらには脂肪肝、アルコール性肝炎、がんなどの体の問題が起こりやすくなるだけでなく、睡眠障害やうつ病、アルコール依存症などを引き起こしてしまう恐れがあります。
- 女性の中で最も多いがんである乳がんも飲酒と関係があると言われています。乳がんのリスクとして、女性ホルモンや運動不足、肥満など様々な要因が知られていますが、アルコールもそのひとつで飲酒量に比例して乳がんのリスクが直線的に上がります。
- 多量飲酒は骨密度を減少させ、骨粗しょう症や骨折の原因となります。
- 妊娠中の飲酒は、妊娠合併症などのリスクを高めるほか、胎児や乳児へも体重減少・脳の障害などさまざまな悪影響があります。
- 授乳中は、母乳にアルコールが移行するため、乳児の健康に影響を及ぼします。
未成年者と飲酒(注)20歳未満の飲酒は法律で禁止されています
- 未成年者の身体は発達過程にあり、アルコールの分解能力が成人に比べて低く、アルコールの影響を受けやすいと言われています。
- 未成年者の飲酒は急性アルコール中毒や臓器障害、アルコール依存症のリスクが高くなります。
- アルコール依存症:アルコールには依存性があり、習慣的に飲んでいると「アルコール依存症」になる危険性があります。
- うつ病:アルコールは不安や憂うつな気分を一時的に和らげる作用があります。しかし、酔いから覚めると飲む前より気持ちの落ち込みが悪化するため、うつ病の誘因となることがあります。
- 睡眠障害:寝る前のお酒は寝つきをよくする一方、眠りが浅くなることから熟眠感を得られにくく、不眠を引き起こしたり悪化させる可能性があります。
- 認知症:大量飲酒は脳の萎縮を引き起こし、認知症になる危険性が増します。
アルコール依存症についてはこちらをご覧ください。
アルコール依存症/e-ヘルスネット(厚生労働省サイト)
全国の相談窓口・医療機関(依存症対策全国センター)
お酒の問題でお困りのご家族へ【リーフレット】(山形県精神保健福祉センター)