更新日:2016年10月1日
開山600年の歴史を誇る曹洞宗の名刹洞瀧山總光寺は、1384年、南北朝時代、月庵良円禅師によって開山された。以来600年、火災の難に遭いながらも法灯を守って今日に至っています。
参道両側に並ぶ約120本のきのこ杉は、大門より総門までの間に植えられています。江戸時代の初めに植樹されたといわれ、およそ350年の樹齢を生き、昭和31年に天然記念物に指定されました。このきのこ杉は、歴代の住職が長年にわたって加えてきた手入れによって、美しいきのこの形の景観をつくり出しました。主に土湯系の杉といわれています。
山形県でも比類を見ないといわれる總光寺の山門は、今から約200年前の文化8年(1811)の落成で、3年の歳月を費やして建立されました。その素朴にして豪壮なたたずまいは、この寺の堂々たる風格を一段と引き立てております。
見上げると5代松山藩主酒井忠禮公による大扁額が掲げられ、楼上には釈尊像はじめ、16羅漢像などが安置され、山門の左右には木造の仁王像が安置されています。
本堂の裏には蓬来園と呼ばれる、庭園があり、池、泉、築山を配し、遠く峰の薬師を望み、滝を落として禅宗の寺にふさわしい静寂の美を漂わせる名園で、おおむね小堀遠州流にのっとり、自然の林泉美を取り入れ、幽玄な趣を表しています
本堂に掲げられている欄間の彫刻は、目を見張るばかりの出来栄えです。宝暦6年(1756)に全焼しているので天文年間の作といわれておりますが、正面の欄間だけは他に比べ特に古く感じられ、龍の欄間だけ室町時代の作といわれております。