高齢者肺炎球菌ワクチンについての説明
更新日:2016年10月1日
肺炎球菌性肺炎について
肺炎は、日本人の死因の第4位で75歳以上では肺炎による死亡率は急激に増加します。
肺炎球菌による肺炎は、成人の25パーセントから40パーセントを占め、特に高齢者での重篤化が問題になっています。
ワクチンの効果と副反応
肺炎球菌は約90種類の型がありますが、ワクチンを接種することで、頻度の高い23種類の肺炎球菌の型に免疫をつけることができます。ワクチンの効果は5年以上持続します。
免疫力は時間とともに低下するといわれていますが、副反応が強くでることがあり、前回接種から5年を経過していないと再接種できません。(以前、接種したことがある方は、前回接種との間隔にご注意ください。)
副反応としては、局所のかゆみ、疼痛、熱感、腫脹、発赤が5パーセント以上認められます。また、筋肉痛、倦怠感、違和感、悪寒、発熱がみられることもありますが、いずれも軽度で2から3日で消失します。
他の予防接種との間隔
肺炎球菌予防ワクチン接種前に、生ワクチンを接種した場合は27日以上、不活化ワクチン(インフルエンザワクチン等)を接種した場合は6日以上の間隔が必要です。
予防接種を受けられない方
- 明らかに発熱(37.5度以上)している方
- 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな方
- 肺炎球菌予防接種によりアナフィラキシー(接種後30分以内に起こるひどいアレルギー反応)を起こしたことがある方
- その他、医師が不適当と判断した場合
次に該当する方は、接種前に主治医にご相談ください
- 心臓血管系疾患、腎臓、肝臓、血液疾患などの基礎疾患のある方
- 予防接種で接種後2日以内に、発熱や全身性発疹等のアレルギーを疑う症状が出たことがある方
- 過去にけいれんを起こしたことがある方
- 過去に免疫不全の診断がなされている方、及び近親者に先天性免疫不全症の方がいる方
- このワクチンの成分に対してアレルギーを起こすおそれのある方
- 過去に肺炎球菌ワクチンを接種されたことがある方
肺炎の予防のためには
予防には普段からの生活に気を配ることが大切です。
- 規則正しい健康的な生活(バランス食・適度な運動)を送りましょう。
- 喫煙している方は禁煙しましょう。
- 手洗い・うがいを徹底して、からだを清潔に保ちましょう。
- 基礎疾患を治療しましょう。
- 誤嚥(食べ物や飲み物を誤って器官に入ってしまうこと)を防ぎましょう。
注意事項
- 予防接種は体調の良いときに受けましょう。
- 接種後30分間は急な反応が起こることがあるため、医師に連絡を取れるようにしておきましょう。
- ワクチン接種後の副反応は通常1~5日程度以内に起こりますので、この間は体調に注意しましょう。
- 当日の入浴は差し支えありませんが、接種部位を強くこすらないようにしましょう。
- 当日は激しい運動は避けてください。
その他
この予防接種は定期予防接種ではなく、本人の希望により実施する任意の予防接種です。
そのため重い健康被害が生じた場合には、独立行政法人医薬品医療機器総合機構及び市が加入する予防接種賠償保障保険に基づく補償の対象となります。
原因によるものか因果関係等について調査した結果、予防接種によるものと認定された場合に補償を受けることができます。
